2010年2月15日月曜日

稲盛和夫の実学―経営と会計

なにかと話題のJALちゃんですが、その建て直しを指揮する京セラの稲盛和夫氏の「稲盛和夫の実学―経営と会計」を読んでみた。最近のおさむちゃんは、優れた経営者がどういう思想・哲学を持っているのか、そして人は何に共感し、行動を起こすのか、そして今の事業にどう活かすか、メンバーをどう導くか、日々勉強中です。(通読レベル1)

会計の原則
 理工系出身の稲盛氏だからこそ、今までの会計の常識にとらわれず、なぜ、なぜを繰り返し到達した会計の原則。そこには、まわりに流されない素直さ、そして周りを説得し動かす行動力。まじで経営の哲学です。会計を知らずして経営はできない。

キャッシュベース経営の原則
 資産か費用か 。バナナの叩き売りという分かりやすい例をもとに説明。PL、BLなんてよくみせようと思ったらいくらでも操作可能。要はもうかったお金はどこへいったのか?つまりキャッシュベース経営なのです。自己資本比率をいかに高くするか。そしてそう経営が思わなければ、実現できない。

一対一対応の原則
 お金の出入りがあると、かならず帳簿、伝票をつける。当たり前のようだが、これを徹底する。シンプルなことを徹底すること。これをやらないから、不正会計が生まれるのです。

筋肉質経営の原則
 固定費を削減し、変動費化する。当たり前のようだが、これも徹底。土俵の真ん中で相撲を取れ。そういうことです。

完璧主義の原則
 上記のように徹底しても、実際の現場では会計が合わないことがある。ここまでしてもだ。ていうことは、徹底することが経営から伝えられていない会社の財務情報はあやしいのだろう。

ダブルチェックの原則
 人がやる=ミスがある。完璧を求めてもミスはある。人を責めるのではなく、きちんと仕組みとしてチェックを入れる。大事だね。

採算向上の原則
 アメーバ経営の考え方がこれだ。各部門、各チームを最小単位のアメーバに区切り、そのアメーバの中で、必死で採算を取れるように考えてもらう。現場に緊張感があるし、どうやったら自分たちのアメーバは稼げるかまじめに考える。自分はいかに会社に貢献しているのか、まじめに考えると結構あいまい。給料もらえるからいいや的な発想だと、成長しないね。バックオフィスだろうが、営業だろうが、開発部門だろうが、情報部門だろうが、コスト意識を持つ。それが大事。

ガラス張り経営の原則
 会計情報はいわゆる飛行機で言うところの各計器。この情報が正確でなければパイロット(経営者)は運転できないのである。悪いことも隠さずきちんと数値で見える化。これですね。報告は言いことはどうでもよい、悪いことを挙げろ、これです。

最後に
 最後は結局は実行するのは社員。社員にいかに魂を注入できるか、それが経営として最も考えなければならないこと。いくらいいシステムだけ提供してもダメ。経営者としての思い、愚直なまでの本質の追求、なんでこれをやるのか、きちんと経営から社員に対して伝えなければならない。そして経営者の判断基準は”人間として正しい行動”かどうか。村上ファンドやライブドアにはそれはないよね。稲盛氏の”思い”に感動。

次は、アメーバ経営の本でも読んで勉強してみようと思う。

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